デンタルニュース

(平成30年2月号)

国立感染症研究所ホームページには、インフルエンザの流行レベルマップが公開されています。これによると、 今年は過去5年間の平均よりも高い値で推移しているので、1~3月のピークを前に特に注意が必要です。感染予防と してはマスクの着用、手洗い、うがい等が効果的ですが、実はインフルエンザウィルスの感染と増殖は、口腔内 の歯周病菌が深く関与しています。実際に、口腔ケアで歯周病菌を減らすことで、インフルエンザの発症を1/10に抑制 したという結果があり、現在、大規模な疫学調査が行われています。重症化しやすい要介護の方については、 できれば口腔ケアでさらなる感染対策をしていただくことをおすすめします。今月は、『歯周病①』につい てご紹介したいと思います。

歯を失う原因の1位が歯周病

歯周病は自覚症状がないこともあり、なんと人類史上最も感染者数の多い感染症としてギネスに認定されています。 平成26年の「患者調査」によると、20歳代で約7割、30~50歳代は約8割、60歳代は約9割も 罹患していることがわかっています。 歯を失う原因は、むし歯が約3割、歯周病によるものが約4割です。歯周病の発生は、歯周病菌 が直接的な原因ですが、環境や遺伝的なことも重なり重症化することがわかっています。

歯周病の原因菌は・・・

私たちの口腔内には400種以上もの細菌が生息していますが、歯周病の原因菌は5~6種類です。 中でも病状を重症化させるのは次の3種類です。
①ジンジバリス(P.g菌)・・・
歯と歯ぐきの隙間である歯周ポケットの中から高頻度に検出されます。 付着力がとても強くバイオフィルムという強固な膜を形成するため、歯ブラシで除去できません。 また、毒素によって骨を溶かし、悪臭の原因物質(硫黄化合物)も産生して強い口臭を放ちます。
②デンティコラ(T.d菌)・・・
人の免疫機能を強く抑制するので歯周ポケット内の細菌の増殖を 促すことが知られています。重度の歯周病に見られる細菌です。
③ォーサイセンシス(T.f菌)・・・
ジンジバリス菌と共存することで病原性を発揮します。歯周ポケットの深部ほど 検出率が高くなります。若い方の歯周病や急速に進行するタイプの歯周病で多く見られます。

次月は『歯周病②』をお届けします。

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